底辺同士の潰し合いって、どうして起きるんだろう

ここで言う「底辺」とは、認知レベルや収入の多様性が著しく制限されている人、あるいは、この記事を読んでいるあなたの基準から見て、収入やいわゆる「社会的な地位」が下にある人たちのことを指しています。

実際、私たちの社会において「底辺同士の足の引っ張り合い」は避けがたい側面があります。その主な要因は、法整備の不備、そして人間性や業界構造そのものの問題にあります。

業界による違い

国内のあらゆる業界は分業化されており、収益の上げ方は大きく分けて以下の数パターンに分類できます。

  1. 生産型:自ら物を生産し、需要に応じて販売して収入を得る。農業や製造業などがこれにあたります。
  2. 組み立て型:他人が作ったものを仕入れ、仲介者としてプロモーションや加工(組み立て)を行い、サービスとして提供する。自動車販売や飲食業などが代表的です。
  3. 引き寄せ型:需要に合致するものを自ら創造・所有しており、それを探し求めている人が向こうからやってくる。プロモーションはほぼ不要で、自分の仕事を全うするだけで収入になる。例えば、独自のトレードシステムを持つトレーダーや、独占的な技術、エネルギー、秘伝のレシピなどを持つケースです。

一般的な認識として、これらの中で最も「底辺同士の潰し合い」が起きやすく、かつ多くの人が従事しているのが「組み立て型」のビジネスです。

人間性と法律

例を挙げましょう。あなたが1個50ドルのハンバーガー店を開いたとします。原材料はこだわり抜き、自ら試食を重ね、牛肉も産地直送、衛生管理も徹底して賞味期限を少しでも過ぎれば廃棄する。利益20ドルなら極めて良心的だと自負しています。

そこへAという人物が現れます。Aは「50ドルは高すぎる」と考え、安い肉とそれなりのパンを仕入れるルートを確保し、あなたの向こう正面に店を出します。販売価格は40ドル、原価は15ドル。利益は25ドルで十分だと考えます。さらにAは客が来るたびにこう吹き込みます。「向こうはボッタクリですよ。この前、あそこの厨房でゴキブリが何十匹も這ってるのを見ちゃいましたし」

さて、あなたに何ができるでしょうか? 仮に訴えたとしても、勝敗に関わらず「あの店にはゴキブリがいる」という噂は広まってしまいます。「デマを流すのは一瞬だが、否定して回るには一生かかる」のです。ダメージが一度定着してしまえば、裁判に勝っても経営的には大打撃です。

現実問題として、こうしたトラブルへの法的対処は理想通りにはいきません。今の法制度にはまだ改善の余地が多分にあるからです。

これが、多くの人が「実業(伝統的な業界)は疲れる」と感じる理由の一つです。実業はあまりにも「生々しい人間性」に直面する業界だからです。私の周りでも、お金を貯めて「自由な働き方」を夢見て実店舗を持った友人が多くいますが、Aのような競合に潰されるか、内部トラブルで自滅するかのどちらかがほとんどです。

他人が儲かっているのを見ると、「簡単そうだ、自分にもできる」と安易に模倣を始める人がいます。しかし彼らの目的は「手っ取り早く稼ぐこと」だけなので、価格競争や品質低下といった、いわゆる「悪貨が良貨を駆逐する」ような強引な手法に走り、結果として業界全体の信頼を損なわせるのです。

親が子供に「〇〇業界は闇が深い(水が深い)」と言うのは、まさにこういう側面を指しています。

「引き寄せ型」のビジネスとは?

私の狭い知見の範囲ではありますが、私が従事している「トレード」は引き寄せ型のビジネスに属します。例えば、私たちのチームはブロックチェーンのクオンツ(自動売買)システムの開発に注力しています。アルゴリズムを用いて自動で取引を行い、データを分析してトレードを執行する仕組みです。

これは本質的に金融取引であり、外部の不要な人間関係や協力に煩わされることも、各所の有力者に媚を売る必要もありません。

私たちは「桃源郷」にいるかのように、自分たちだけで利益を上げることができます。まず自分たちの生活基盤を固めた上で、さらに収益を伸ばしたい時は、大手プラットフォームでコピートレード(公開運用)のアカウントを開設します。

そこには、競合相手という感覚がほとんどありません。私たちのトレードスキルが特別高いからではなく、成績(収益曲線)がすべて公開されているからです。実績さえ出せば、投資家は自然と集まってきます。原理としては、淡々と運用するプライベート・ファンドに似ています。

トレード業界に入ってから、前述したような「底辺同士の足の引っ張り合い」に遭遇することは激減しました。もちろん、「この実績は本物か?」「そんなに勝てるならなぜ公開するのか?(私たちは資産家ではないので、元手が少ないからです)」といった疑いの目は向けられます。

しかし、それ以上の嫌がらせはありません。今の取引所はコピーガードなどの保護機能もしっかりしており、パクリも減っています。何より、自分たちの中で経済圏が完結しており、無理なマーケティングをする必要がない。これこそが「引き寄せ型」ビジネスの最大の利点だと言えるでしょう。